歯科衛生士として長く働ける職場の特徴とは?
晴れて歯科衛生士になっても、次なる関門が長く働ける職場に就職できるかどうか。
いくら歯科衛生士は有効求人倍率が高く、就職に困ることはないと言われていても、人気は集中するもの。
人気な職場はあっという間に埋まってしまいます。
焦るあまり、吟味せずに就職先を決めてしまい、続かずすぐに退職、というケースが歯科衛生士にはよくあるのです。
実際、歯科衛生士は国家資格の中で、3番目に辞めやすい仕事なんだとか。
そういう意味では、職場選びが難しい職業と言えるでしょう。
歯科衛生士として活躍するためには、長く働けるように職場選びが大切なのです。
歯科衛生士として長く働けるクリニックの選び方
歯科衛生士に限らず、ほとんどの人は就職活動で条件を決めて、それに当てはまる職場を見つけようとします。
焦って採用先に飛びついても、続かなければ意味ありません。
ここでは、長く働ける職場選びのポイントを考えてみましょう。
条件を絞る
「土日勤務はないか」「スタッフ同士が仲が良いか」「スキルアップが望める環境か」「賃金が高いか」などなど、職場環境に対しての理想は尽きませんが、全ての要望にあてはまる医院はありません。
万が一あったとしても、求人の空きはそう簡単にできないでしょう。
そもそも、応募した職場に必ず採用されとは限りません。
条件にこだわり過ぎて、なかなか応募に踏み切れなければ、採用が遠のくだけ。
なかなか目を惹く求人がなければ、自分にとって譲れない条件は何か、まず見直してみましょう。
こだわりと、わがままは違います。
条件を見直して、多くても3つまでに絞って就職活動を再開してみましょう。
スタッフと気が合うか
歯科衛生士の就職先として、多くの割合が占めるのが歯科医院。
歯科医院は、地域に密着した小規模経営が多いので、スタッフの人数も少なく、自然と付き合いが濃密になります。
スタッフ同士との繋がりが濃い環境ですから、それが良い方向に転がればアットホームな雰囲気で働きやすくなります。
求人でも、「アットホームな職場」という謳い文句はよく見かけますよね。
しかし、スタッフ同士がそりが合わない職場では、ドロドロとした人間関係で働きにくい職場となり、長く勤められません。
気になる医院では職場見学などのタイミングで、医院で働いているスタッフの方々と話してみるのがオススメ。
ほんの短い時間しか話せないでしょうが、スタッフやドクターとの人となりに触れられることで、その医院で働けるかどうかの判断材料となります。
15ヶ月続けられそうか
転職は、誰しも大変なもの。
キャリアの問題もありますから、多くの人がリタイアするまで働ける職場を選ぼうとします。
しかし、5年後や10年後に自分がどうなっているかなんて想像つかない人がほとんど。
特に、女性の場合は結婚や出産でワークライフバランスが変化しやすいですからね。
したがって、「長く働ける」の「長く」を長期スパンで考え過ぎると、良い職場に巡り会えてもピンと来ないかもしれません。
ただ、働く期間を短くし過ぎても、辞め癖がつき、職場を転々とする羽目になったり、スキルアップの機会を失ったりします。
キャリアが積み上がらないので、将来どんどん行き詰まってしまうでしょう。
そこで、まずは15ヶ月続きそうな職場を探すようにしてはいかがでしょうか。
と言うのも、誰しも採用されたばかりの頃は、やる気に満ち溢れているため、転職を考えません。
しかし、徐々にモチベーションが下がり、1年を過ぎると不満が目が溜まり求人が目につく傾向が強い時期。
辞め癖がついている人は、往々にして1年目付近のタイミングで転職する傾向があります。
この時期を過ぎて15ヶ月頃になると、職場でも馴染み新しい仕事も任されるようになります。
ボーナスが近くなることもあって、同じ職場で働く意欲が保たれるので、辞めにくくなるのです。
職場見学で長く働けるか見極めよう
労働時間や、働く曜日、給与など、理想はさまざまですが、多くの人がもっとも重視するのが人間関係。
実際、退職を考えるきっかけのほとんどが、ドクターや他のスタッフの人間関係が悪いことが原因です。
人間関係が良ければ、仕事そのものが楽しくなり、多少給与が低かったり、労働時間が長くても気にならないのです。
ただ、人間関係や雰囲気は、職場の紹介文や写真を見るだけでは判断できません。
紹介文にアットホームと記載されていても、「本当に?」と勘ぐってしまいます。
そこでオススメなのが、歯科医院の見学。
最近は、歯科医院に限らず、多くの業界で労働者と雇用主のミスマッチが起きています。
働く側も、苦労の末、採用を勝ち取ったとしても人間性が合わなければ長く続けられないでしょう。
いきなり面接に臨む前に見学で、雰囲気を少しでも感じることができれば、その歯科医院が自分に合うかどうか判断する糸口になります。
歯科医院の見学のマナーとは
職場の見学は、働く側が雰囲気を掴めるだけでなく、歯科医院側も働く仲間として訪れた求職者が相応しいかどうかを判断する場所でもあります。
見学者の人物像を見極め、ミスマッチを防ぎたいのは歯科医院側も同じ、というわけです。
したがって、見学の場面でも印象が悪くならないように適切に振る舞う必要があります。
事前に医院の見学をしたい旨を伝えましょう
歯科医院とは、本来患者さんが歯を治療しに来る場所。
当然、歯科医院それぞれにスケジュールがありますから、いきなり見学に訪れても対応できません。
歯科医院を見学したい旨を、前もって伝えて、都合の良い日にちを伺いましょう。
緊張しますが、メールよりも電話で連絡した方が丁寧なので、良い印象が抱かれやすいです。
面接に適したファッションで
歯科衛生士では、業務には制服が支給されることがほとんど。
新卒ならまだしも、卒業からしばらく経っていると、持っていないかもしれませんが、できればスーツで行きましょう。
フォーマルな場面では、ファッション性よりもはTPOが大切です。
スーツがなくても、衿付きのシャツと、折り目がついたパンツや、しわがない膝丈のスカートにしましょう。
持ち物は予め準備
時間にゆとりを持って準備をしておかないと、忘れ物や予期せぬトラブルに見舞われた際に対応できません。
持ち物や、医院までの道順の確認など、準備は時間的な余裕を持って行いましょう。
また、医院によって履歴書の提出を求められることもあります。
見学でも履歴書は準備しておくと、印象が悪くならずに済みます。
時間にはきっちり
向こうは忙しい中、貴重な時間を割いて迎えてくれます。
ビジネスマンとして時間にルーズなのは、何よりも悪印象。
5分前に扉を開けるつもりで行動しましょう。
早めに足を運んで、離れた所で少し待つつもりで行くと、失敗がありません。
万が一、遅刻しそうな場合は例え1分でも連絡してください。
全員に挨拶
診療時間中に見学することが多いですから、スタッフやドクターが慌ただしくしている日もあるでしょう。
挨拶しにくさを感じるかもしれません。
しかし、いくら忙しくても素通りはNG。
診療中でも、すれ違ったときでもいいので、目が合ったタイミングで、自分から先に会釈をしましょう。
見学の距離には気遣いを
見学の場所は歯科医院ですから、患者さんの診療が最優先。
診療の邪魔になるような見学がまずいのは言うまでもありませんが、遠すぎても問題。
と言うのも、距離を取りすぎて見学していると、診療内容がよく見えません。
診療中の衛生士や助手の動きが細かく把握できずに、採用されたときにもたつく可能性が上がるだけでなく、ドクターからやる気がないように受け取られてしまいます。
邪魔にならない範囲で、できるだけ近くで見学しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
人それぞれに理想があるように、その職場が長く働けるかどうかは、一概に言い切れません。
条件だけにとらわれては、本当に自分にぴったりの職場を見逃す可能性もあります。
いくつかの歯科医院に足を運んで見学することで、労働条件で表せられない部分から、自分が長く歯科衛生士として長く働けるためのポイントが発見できるかもしれません。
歯科衛生士の求人が豊富に掲載されているサイトで、全体的な選択肢を増やすのもいいでしょう。
充実した求職活動の参考になれば幸いです。
以上、「歯科衛生士として長く働ける職場の特徴とは?」でした。