歯科衛生士が患者に恋してしまったら?
歯科衛生士の立場で、患者に恋してしまったらどう振る舞えばいいのでしょうか。
歯科衛生士は、学生時代から職場までとにかく女性社会に身を置く仕事です。
ですから、異性と出会う機会が少なく、職場で患者に恋をするケースも少なくありません。
しかし、職場はあくまでもプロとして仕事をする場所。
給料をもらう以上、私情を挟むのは躊躇われると思っていても気持ちが抑えられないのが恋心です。
どうしても患者へ気持ちを伝えたい場合、アプローチはどうするべきなのでしょうか。
歯科衛生士が患者へアプローチするなら?
いくら患者さんに恋していたとしても、いきなり気持ちを打ち明けてはいけません。
まずは患者の立場に立って考えてみてください。
甲高い機械音と、消毒の臭いが強い歯科診療所は、好んで行きたくはない場所です。
治療が進歩して昔よりも格段に痛みがなくなったとは言え、歯の治療は気が重くなる人が多いでしょう。
暗い気持ちで来院していれば、いくら魅力的な女性がいても恋愛モードにはなれません。
更に、衛生面に配慮してスタッフは、ほぼマスク着用で辛うじて解るのは目許だけ。
個人診療所であればスタッフの人数はそれほど多くはないとは言え、目許の特徴だけで人を判別するのは1、2週間に1度訪れるだけの患者では無理があります。
向こうも同じように特別な感情を抱いていたならともかく、いきなり告白しては驚かれてしまいます。
気持ちの温度差に引かれてしまったり、気まずくなったりして、最悪、治療途中で通院を止められ兼ねません。
歯のトラブルは自然治癒で治るものではないので、これではお互いに不幸。
いきなり思いを伝えるのではなく、まずは距離を縮めるところから始めましょう。
積極的に話しかけよう
まずは歯科衛生士さんから、○○さんへ、名前を覚えてもらうことから始めましょう。
歯科診療所はいくら働くスタッフが少ないとは言え、ほとんどが女性なうえ、10人ほどがマスク着用で診療所内を忙しく走り回っています。
処置内容によっては、1人に対してスタッフが入れ替わり立ち替わりで対応することもあり、よほど興味がある相手でなければ患者自身は覚えてられません。
ですから、まずはタイミングを見て積極的に話かけるようにしましょう。
もちろん、仕事に支障を来さない範囲内で、です。
いきなりプライベートな話が難しければ、歯に関することでもいいでしょう。
歯の健康に関して熱心な人、患者に対して気配りをしてくれる人、などと好印象が残れば、歯科衛生士の中でも名前と顔が覚えられます。
歯科衛生士としてではなく、あなた自身を選んで話かけられることも出てくるでしょう。
他の患者さんにもフレンドリーに
積極的に声をかけるのは好意を抱いた患者だけではいけません。
歯科診療所はスタッフの数も少ない上に、面積も狭く、思ったよりもお互いの行動が目に付きます。
特定の患者に対してだけ態度が変われば、好意が他のスタッフにも伝わります。
他の患者にも悪い印象を抱かれ、仕事がしにくくなる事態になれば、意中の相手へのアプローチどころではありません。
まずは全ての患者に対して、熱心な歯科衛生士としてのポジションを獲得を目指しましょう。
通院の最後に連絡先を渡そう
患者と歯科衛生士の立場では顔を合わせるのは1、2週間に1度ほどでプライベートな話ができる時間はほんの僅か。
お互いの人間性が見えない状態では、向こうも気持ちに応えられません。
2人にはまず、距離を縮めるためにプライベートで接触する機会が必要です。
まずは、相手へ自分の連絡先を伝えましょう。
もちろん、他の患者やスタッフにバレないようにこっそりと行動しなければなりません。
患者が通院しにくくならないように、治療が終了したタイミングがベストです。
もたつかないように、小さなメモでさっと手渡ししましょう。
「よろしければ連絡ください」などと、意図がわかるようなメッセージも一言添えて書くと、患者もアクションを起こしやすいです。
つまり、「気楽に話せるお友だちから宜しくお願いします」ということですね。
恋人からスタートともなれば、誰だって相手の人間性がある程度判ってからでなければ受け入れられません。
歯科衛生士と患者の関係では、高確率でうまくいかないでしょう。
連絡先を交換する友人からと、スタートラインを下げれば、相手もあなたへ興味が湧き、お互いのことを知るチャンスとなります。
恋愛に焦りは禁物。
2人に合ったペースで関係を発展させましょう。
仕事かプライベートか
患者とスタッフとの恋愛は、第三者から見れば感心されません。
想像してみてください。歯のトラブルは一度の治療で治ることは希なので、ほとんどがリピーター。
つまり、歯科診療所からすれば、患者は将来に渡って大切にするべきお客様なのです。
それなのに、1人のスタッフがプライベートな関係を望めばどうなるでしょう。
患者自身が思いに応えられればいいですが、そうでなければ気まずくなり、他の診療所を探すかもしれません。
また、うまく関係が発展しても、万が一別れてしまえば、診療所は、結局1人の患者を逃すことになってしまいます。
タイミングによっては、治療が中途半端な状態で来なくなってしまう可能性もあるので、診療所、患者の双方に不利益が生じるかもしれません。
患者へのアプローチは、医療従事者として極力避けなければなりません。
また、どうしようもなく気持ちが抑えられなかったとしても、治療が終わるタイミングなど、できるだけ患者に負担がかからないように注意するのが基本です。
仕事の人間関係を大切にしよう
現職の歯科衛生士はほとんどがスタッフが10人前後の小規模な診療所で働いています。
少ない人数なので、スタッフ同士がまとまりやすく、人間性が合えば理想的な職場となるでしょう。
しかし、これは逆に言えば、スタッフ同士の関心がお互いに高いということ。
うかつな行動を取れば、職場の人間関係に亀裂が入りかねません。
勤務時間中に意中の患者と顔を合わせたとしても、はしゃぐのは心の中だけにしましょう。
特別に長々と話すことはないように、対応は他の患者さんと同等、プロフェッショナルとしての振る舞いを心がけます。
もちろん、どんなに仲がよくても、同じ職場のスタッフに気持ちを打ち明けてはいけません。
診察中の患者とスタッフとの恋愛は御法度と考える人も多いですから、あっと言う間にスタッフ中に噂が広まり、退職せざるを得ないリスクが出てきます。
もしも職場の人に話す場合は、治療が終わり関係が発展してからの方がベターです。
まとめ
いかがでしたか?
人の気持ちは変えられないもの。
職場で出会った患者に恋したとしたら、アプローチしたくなる気持ちを誰も止めることはできません。
しかし、診療所は歯科衛生士にとっては職場であり、患者にとっては歯を治す場所です。
プライベートを持ち込む場所ではないので、厳しい言い方ですが、注意深い振る舞いが要求されます。
本当にその人に惹かれているのか、つい目が行っただけなのか、行動を起こす前に自分を見つめ直すのも選択の1つ。
仕事がかかってくるわけですから、慎重になり過ぎることはありません。
アプローチをしないのも、するのと同じくらい重要な選択です。
後悔のないように、より良い恋の参考になれば幸いです。
以上、「歯科衛生士が患者に恋してしまったら?」でした。