歯科衛生士の便利帖

歯科衛生士についてのちょっとしたアレコレをまとめています。

歯科衛生士が注目?嚥下訓練の求人に積極的なのは

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歯科衛生士の仕事の1つとして、嚥下訓練が注目され、さまざまな施設で求人募集がされているのをご存知ですか?

 

少し前まで、嚥下は言語聴覚士の専門分野でしたが、地域密着の医療では少し事情が変わりつつあります。

高齢化社会となって、お年寄りの割合いが大きくなっている現在では、嚥下の訓練の重要性はますます高まるばかり。

 

今回は、嚥下訓練における歯科衛生士の役割と、求人についてまとめてみました。

 

歯科衛生士や歯科医師が嚥下の分野をカバー

もともと、嚥下は歯科衛生士や歯科医師を始めとした歯科分野ではなく、リハビリテーションを中心とした言語聴覚士でした。

いえ、現在でもリハビリテーションに力を入れている病院では、言語聴覚士こそが嚥下のプロフェッショナルと認識されているでしょう。

 

しかし、こと大きな病院にかかる前のちょっとした診療では、歯科分野となりつつあります。

実際、嚥下を口のみならずQOLの重要な問題ととらえて、嚥下指導に積極的な歯科医院も見かけます。

 

言語聴覚士じゃだめなの?

食べる機能は

  • パーキンソン病
  • アルツハイマー
  • 悪性腫瘍
  • 脳出血
  • 脳梗塞
  • 多発性硬化症

などの病気が原因で低下することもありますが、加齢による衰えで発症することもあります。

したがって、年齢が上がれば上がるほど、嚥下訓練の必要性が高まってくるのですが、嚥下機能が低下している高齢者は、病院に行くのも一苦労。

 

嚥下のプロフェッショナルの言語聴覚士がいるリハビリテーション科の病院は、数がそれほど多くないので、患者さんは遠く離れた自宅から通わなければならないケースもあるのが実情です。

訪問医療としての嚥下訓練

そこで白羽の矢が立ったのが、歯科医師による訪問診療。

歯科医院は、大手コンビニチェーン3社を合わせた店舗数よりも、多くなっています。

 

大抵のお宅のご近所に歯科医院があるため、通うハードルも低いうえ、訪問診療を行っている歯科医院もあります。

言語聴覚士でも、患者のお宅に伺って嚥下指導を行うことは可能ですが、先ほども行った通り、主な勤務先の病院は数が少なく、広い地域をカバーしきれません。

地域密着の診療

さらに、持ち運び可能な内視鏡で嚥下の検査ができるようになったため、歯科医師は訪問先で嚥下の判断が下せるようになりました。

精密さでは病院の検査には劣るものの、症状に応じて、歯科衛生士が簡単な口腔ケアとして、嚥下体操や、運動指導が訪問先のお宅で可能。

 

それまで遠方のリハビリテーション科の病院に赴かなければできなかった嚥下の診療や改善が、自宅でてきるようになったのです。

外出が一仕事だったお年寄りにとっては、嚥下訓練のハードルが下がったと言えるでしょう。

 

もちろん、重篤な状態になれば言語聴覚士との連携は必要不可欠になりますが、言語聴覚士よりも身近な歯科衛生士が日常的なケアをすることで、食べる機能の低下を未然に防ぐ効果も期待できます。

歯科医院以外の求人は?

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嚥下に積極的なのは、歯科医院だけではありません。

例えば、介護施設。

実は最近、歯科衛生士や歯科医師が常駐する介護施設が増えています。

 

介護施設での歯科衛生士の業務内容は、歯ブラシ指導や口腔内のチェックなど多岐に渡りますが、入居者の嚥下能力の維持や向上を狙って、定期的に嚥下体操の時間を設けているのです。

また、嚥下機能のを維持することは、食べる楽しみを残す以外に、肺炎の予防にも効果が期待できます。

 

肺炎と言えば、お年寄りにとっては命にも関わる病気。

命を守ることにも繋がる嚥下の分野は、ますます注目されることでしょう。

歯科衛生士の活躍の場

まとめ

いかがでしたか?

 

歯や口まわりの関心が増している昨今、歯科衛生士もより高い専門性が求められています。

嚥下の分野に興味があるなら、スキルアップとして認定歯科衛生士を目指してもいいでしょう。

目標を設定することで、改めて勉強するモチベーションにもなりますし、認定が受けられれば、嚥下に積極的な職場への就職も開けます。

 

以上、「 歯科衛生士が注目?嚥下訓練の求人に積極的なのは 」でした。

歯科衛生士は若いうちだけ?