歯科衛生士の便利帖

歯科衛生士についてのちょっとしたアレコレをまとめています。

歯科衛生士は不器用では務まらない?

 

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歯科衛生士の仕事は、不器用では務まらない、なんて話はよく耳にします。

歯科衛生士に興味があるものの、指先を使う作業が苦手な人は不安に思うこともあるでしょう。

 

中には、不器用を自覚しているために、歯科衛生士になるのを躊躇っているかもしれません。

歯科衛生士にとって不器用なのは、そんなに致命的なことなのでしょうか。

 

歯科衛生士は不器用では無理?

確かに歯科衛生士にとって手先の器用さは、重要な能力です。

イメージしてみてください。歯はどんなに大きくても1cm前後。口腔内のことですから、歯の位置によっては見にくかったり、器具が使いにくい場所もあるでしょう。

 

症例によってさまざまに変化する状況の下、人の爪ぐらいの大きさぐらいの極小さな場所を、定められた器具を使って、適切に正確に処置しなければなりません。

 

器用さのみならず、集中力が求められるのは当たり前のことと言えます。

 

苦手だからこそ入念な準備を

求められる能力があるのは、どんな職業でも同様であると同時に、全ての労働者が自分自身の得意分野で働いているわけではありません。

朝に弱いパン屋さんだっていますし、話すのが苦手な営業マンだっているでしょう。

 

ただ、彼らは苦手なことをそのままにはしていません。

例えば、朝が苦手なパン屋さんは目覚ましを幾つも用意して、早寝を心がけることで、寝坊を防げます。

話すのが苦手なら、前もって先方が好みそうな話題を考え、プレゼンテーションのリハーサルを入念にしておくことで、会話をスムーズにこなせます。

 

不器用であることが、歯科衛生士に向いていないということと、イコールで繋がることはないのです。

歯科衛生士でもアシストは難しい?

訓練で手先が器用になる?

そもそも手先の器用さは、訓練によって向上します。

日本人が世界的に器用な国民なのは、民族の生まれ持った特性ではなく、子供の頃から箸や折り紙など手先を使った作業を伴う生活を送っているから、と言われています。

 

不器用で、歯型の噛み合わせが上手くいかないのなら、たくさん練習すればいいだけのこと。

 

実際、自分が不器用だと自覚していれば、他の人と同じレベルに追いつくため、作業を丁寧にこなそうとしたり、同じ内容を何度も繰り返し練習したり、授業への意識が高まります。

高い意欲で専門学校の授業に臨んだ結果、もともと不器用だったとしても、良い成績を残せるでしょう。

 

そのため、不器用な人の方が歯科衛生士に向いていると教える先生もいます。

不器用だからと言って、歯科衛生士を諦める必要はないのです。

歯科衛生士に重要なのは

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歯科衛生士の業務内容を根本から考えれば、最も必要とされる能力が見えてきます。

歯科衛生士の仕事は、

  • 診療補助
  • 予防処置
  • 保険指導

の3つに分けられます。

ドクターの診療をアシストしながら、患者のケアを行う診療補助と、虫歯や歯周病その他の疾患を防ぐ目的で行う予防処置は、専門的な器具や手先を使った作業を行う、いかにもな歯科衛生士の業務。

歯科衛生士の仕事として、ほとんどの人が思い浮かべるのは、この2つのうちのどちらかでしょう。

 

残りの保険指導は、他の業務に比べると影が薄い感じがしていまいちピンと来ません。

 

しかし、8020運動を始め歯の健康に意識が高まっていることで、保険指導を重要視する歯科医院も増えています。

と言うのも、保険指導は生活習慣を見直すことで歯の環境を改善することを目的としています。

禁煙の推奨、食事習慣や歯磨きの指導など、歯科医院への通院を伴わない、毎日のちょっとした生活習慣の改善が主な内容が中心となるので、保険指導では手先の器用さは必要ありません。

 

歯のために生活習慣を改善してもらうには、患者さん自身が納得することが必須。

素直に話を聞いてもらえなければ歯の環境は好転せず、せっかく予防処置をしても本来の効果は発揮されません。

 

患者さん自身も、通院の効果が感じられないので、医院への信頼を損なう可能性もあるでしょう。

つまり、保険指導では医院の信頼のためにも、患者さんに話を聞いてもらえるような、コミュニケーション力が求められるのです。

積極性がなければ仕事も覚えられない?

個人歯科医院は診療時間中、ぱんぱんになるまで患者を受け入れることが多いうえ、もともと歯科診療は時間に終われる工程が多くあります。

正確さとスピードの両方が必要とされる仕事に追われて、バタバタと1日が終わる職場も珍しくありません。

 

新人教育に充てられる時間の余裕はごく僅かです。

そのため、新人は先輩の歯科衛生士や、ドクターの邪魔にならないタイミングで、質問したり指導を受けなければなりません。

たまたま手が空いてるのが、物腰がきつく苦手な先輩であってもです。これは、新人教育でも、臨床実習の場合でも同様です。

 

自分から積極的に分からないことを解決する能力がなければ、いつまでもできないまま時間だけが過ぎていきます。

 

最初は大目に見てくれていた周りからも、いつからか「役に立たない」レッテルを貼られて働きにくくなるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

 

厳しいことが目についたかもしれませんが、歯科衛生士は人との触れ合いが多い職業。

資格さえ取れれば後はドクターの指示通り器具を受け渡ししていれば良い、と思っていると思わぬギャップに苦しむことになるでしょう。

 

逆に、人と話すことが好きで、慣れ親しんだ少数のスタッフと働きたいと考えるなら、これ以上の天職はありません。

例え不器用であっても、人よりもたくさん練習することでカバーできます。

不器用を理由に諦めるのではなく、自分がどんな風に働きたいかを考えて、進路を決定してください。

 

以上、「歯科衛生士は不器用では務まらない?」でした。

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