歯科衛生士と看護士の難易度は?
歯科衛生士と看護士の2つの職業は、比較されることが多く、医療分野に興味がある人にとっては、どちらがどれくらいの難易度なのか、気になるところ。
歯科衛生士と看護師は、国家資格であり、従事者の多くが女性で、就職に強いと共通点がよく見られる職業です。
ですから、歯科衛生士に就きたい人は看護士、または看護士に就きたい人は歯科衛生士、どちらが自分に合うか迷う人が多くなります。
看護士と歯科衛生士の難易度を具体的に比較できれば、職業選択するうえでの判断材料となるでしょう。
歯科衛生士と看護士の難易度は?
歯科衛生士と看護士は、どちらも国家資格なので、つい国家試験の難易度へ目が行きがち。
しかし、国家試験に受験するためには、まず国が定めた学校に入学し、教育を受ける必要があります。
歯科衛生士と看護士の難易度を比べるには、学校生活のことも考慮に入れる必要があるでしょう。
学費
看護士も歯科衛生士も、国家試験を受験するためには文部科学省と厚生労働省が認定した機関で、最低でも3年間教育を受ける必要があります。
ですから2年間で卒業が一般的な専門学校も、歯科衛生士と、看護士に限っては1年長く通うことになります。
通学期間や、学費のハードルとしては、どちらも同じくらいと言えるでしょう。
ちなみに、歯科衛生士でも看護士それぞれに適した学部であれば4年制大学を卒業したとしても、国家試験の受験資格を得たことになります。
しかし歯科衛生士と看護士の資格を目指す人たちは、卒業した後はそれぞれの職業につくことがほとんど。
短大、専門学校でも、大学でも国家資格保持者であることに変わりありません。
業務内容が同じなため、学歴によって給料の差が生じないので、早く卒業できて学費が少なく済む専門学校を選択する人がほとんどです。
よって、学費が高くなったり、大卒の学歴が欲しい場合は別ですが、純粋に看護士や歯科衛生士を目指すなら、大学に進学するメリットは少ないでしょう。
入試
さまざまな学部を見渡してみると、専門学校の入試には学科試験がない場合も珍しくありません。
歯科衛生士の学校も、この傾向に当てはまり面接や小論文のみなことも多々あります。
国語や数学などのいわゆる勉強の苦手な人には、朗報ですね。
一方、看護学校は一般試験に焦点を当てる国語、数学、英語の3教科、推薦でも国語の1教科や数学を加えた2教科の学科試験を設けていることが多いようです。
文系の人は、高校では既に数学から離れ始め、苦手意識がより強くなっている人も多いでしょう。
学科試験の傾向だけを見ると、看護学校の方がハードルが高く見え、文系の人は歯科衛生士の方が現実的のよう感じられます。
しかし、上はあくまでもさまざまな学校を通しての傾向。
実際は倍率が高く学科試験が厳しい歯科衛生士学校もありますし、逆に偏差値が低く形だけの学科試験となっている看護学校もあります。
歯科衛生士も看護学校も、入学した後は国家試験に向けて勉強勉強なのは変わりありません。
大切なのは、在学中に国家試験が獲得できるレベルまで、熱心に勉強できるかどうか。
看護士か歯科衛生士か迷っているなら、自分のレベルに合ったそれぞれの学校をピックアップしてみてはいかがでしょうか。
学校パンフレットやオープンキャンパスに足を運ぶことで、偏差値や入試難易度からはわからなかった物を感じられます。
言葉にならないような直感が、職業選びの決め手になるかもしれません。
国家試験
歯科衛生士も看護士も、学校を卒業した上、さらに国家試験に合格してようやく名乗ることができる職業。
国家試験の名前の響きから、厳しい試験で多くの人が振り落とされる、というようなイメージが強くなりますが、歯科衛生士の毎年の合格率は95%。
看護士であっても90%と、毎年ほとんどの受験生が試験に合格しています。
しかし、それぞれの試験で毎年高い合格率が叩き出されているのは、国家試験が簡単なわけではなく、偏に新卒者たちや学校の努力の賜物。
実際、卒業試験に国家試験を意識した問題を出題したり、国家試験対策を授業に盛り込んだり、学生たちが無事に資格を取得できるように、さまざまな工夫をしています。
よって、既卒者だけに絞ってみると両方の合格率はガクンと下がります。
歯科衛生士に至っては既卒者の合格率はなんと35%にまで落ち込むので、高い合格率に惑わされてはいけません。
油断せずに3年間しっかり勉強しなけれなならないのは、看護士も歯科衛生士も同様なのです。
働き始めてからが本番
看護士も歯科衛生士も、国家試験に合格し、ようやく医療の現場で働けるようになります。
看護士も歯科衛生士も、学校は長くても4年ほど。
その後の看護士や歯科衛生士としての人生の方が長いのですから、業務内容からどちらを目指すか判断するのも選択肢の1つです。
歯科衛生士ならではの苦労
どちらも医療分野のスペシャリストであることは変わりありませんが、歯科衛生士は歯の治療特化した職業。
歯は大きくとも1cmほどの大きさの立体に、手際よく適切な処置が求められます。
前のめりの無理な姿勢を維持しながら、手先の器用さや、集中力が求められる作業を1日中こなします。
よって、肩や目、腰に負担がかかり職業病として、肩こりや疲れ目を患っている人が多いのが特徴。
体をあまり使わないイメージが強いですが、看護士と同じように、体力勝負な仕事です。
また、歯科衛生士の就職先のほとんどが、少数のスタッフで切り盛りされる個人歯科医院。
人間関係が濃密になりやすいので、相性が良い人たちが集まる傾向があります。
自分と相性が良い職場を見つけられれば、非常に働きやすくストレスなく仕事がこなせるでしょう。
看護士ならではの苦労
看護士はドクターの指示のもと患者さんへ処置を行うことは、歯科衛生士と共通しています。
しかし、看護士が対処する患者さんは重篤な病気を抱える場合も多く、その分プレッシャーや緊張が重くのしかかります。
さらに、入院設備が整った病院への勤務となれば、夜勤もあり、体調管理にはより一層気を配らなければなりません。
看護士の平均年収が470万円と歯科衛生士よりも120万円ほど高いのは、こうしたハードな勤務状態が理由の1つです。
ただし、看護の仕事が好きでプライドを持って、働いている人も多くいます。
入院患者さんの病状が、徐々に快方へ向かい退院を患者さん自身やそのご家族と楽しみに待つ。
毎日顔を合わせる患者さんの回復は、自分のことのように、嬉しいのです。
まとめ
いかがでしたか?
歯科衛生士も、看護士もそれぞれの分野で人の健康を守る仕事ですから、単純な比較は難しいです。
ただ、どんどん進歩する医療技術や専門性の高まりから、どちらも生涯勉強が必要な職業。
向いてなければ、新しい技術についていけずに、あっと言う間に仕事に支障を来すでしょう。
資格の難易度がどうかと考えるよりも、仕事や勉強内容が自分に向いているかどうかを基準に判断した方が、将来的に役立つと思います。
オープンキャンパスなどでは、現場の話や、模擬授業を受けられます。
身をもった体験だからこそ、得られる物もあるでしょう。学校の雰囲気を掴むため、パンフレットを資料として取り寄せてみるのもオススメです。
以上、「歯科衛生士と看護士の難易度は?どっちが簡単?」でした。