歯科衛生士の引き継ぎ!残りの有給はどうする?
歯科衛生士にとって引き継ぎは、それまでの職場を辞める際に欠かせないプロセスです。
特に、個人医院ではスタッフの人数にゆとりがないことも多く、1人でも抜けるとその穴を埋めるのが大変。
逆に言えば、それだけ職場に必要とされているということですが、円満退職をするためにも自分がいなくなった後の環境を整えることは大切なのです。
歯科衛生士は、責任ある仕事だからこそ引き継ぎをしっかりしなければなりません。
歯科衛生士にとって、今の職場を辞める前に重要な引き継ぎについて考えてみましょう。
歯科衛生士の引き継ぎ
歯科衛生士に関わらず、引き継ぎは具体的に退職日が決まった段階から行われます。
歯科診療所で勤務している場合は、院長と話し合って引き継ぎのタイミングや、方法も決められるのが一般的。
しかし歯科衛生士の人数は、職場の規模や院長の考え方によってもさまざまなので、任されている仕事の割り振られ方も異なります。
材料や消耗品の発注、シフトの組み方など、特定のスタッフにのみ任されていることは意外とあるのです。
もしも、辞めるときに特定の業務ができる人がいなくなってしまえば、職場は回らなくなってしまうでしょう。
辞めた後の混乱を避けるためにも、引き継ぎはしっかりとしておきましょう。
業務の内容は、もちろん後任のスタッフに直接説明するでしょうが、それだけでは忘れてしまったり、退職後の予期せぬトラブルに対応できません。
ノートやメモなど、繰り返し確認できる形で記録を残しておくのは有効です。
担当した患者さんについては?
予防歯科への関心が高まっている昨今、ホワイトニングや定期検診に力を入れている医院であれば、患者さんごとに担当する歯科衛生士を定めていることがあります。
働いている医院が担当制の場合は、受け持ちの患者さんについても後任の歯科衛生士へ情報を引き継がなければなりません。
患者さんは、あなたの技術を信頼して通っています。
いきなり担当する歯科衛生士が変われば、不安に思う患者さんもいるでしょう。
退職のためとは言え、できるだけ患者さんの負担にならないようにする必要があります。
カルテなどで情報を引き継ぐのは当たり前として、可能ならば後任の歯科衛生士と、患者さんを交えて直接話せる機会を設けましょう。
話す、と言っても軽い挨拶だけで構いません。
そのタイミングで、「しっかりした歯科衛生士です」と太鼓判を押せば、患者さんも信頼しやすく、後任の歯科衛生士も助かります。
有給消化したい
有給休暇は、労働者の権利ですが法に従って形だけ付けられていることも珍しくありません。
特に小さな診療所では、有給消化が進まず退職のタイミングになるまで、何十日と溜まっている人もいるでしょう。
そうすると、退職のタイミングに目一杯有給を取りたい、と考えるのは労働者の権利です。
または、消化されていない有給を買い取ってもらって、日当の請求も可能。
どちらも、労働者の権利であり、有給の扱いについては就業規則に明記されているはずですが、個人診療所ではスタッフの人数に余裕がないことも多く、最後まで有給消化できないまま退職日を迎えることも珍しくありません。
ただ権利とは手放すのも、主張するのも自由。
退職するものの、「スタッフの人数も少ないし仕方ない」と、有給をなかったものとして手放すのも、大人の対応です。
有給消化をする場合
院長と話し合って退職のスケジュールが決まれば、引き継ぎに響かない範囲で有給消化するのが基本です。
後任の歯科衛生士と引き継ぎのタイミングを話し合って、有給をもらいましょう。
最近は診療所でもコンプライアンスがしっかりしている所も多いですが、依然として4割が就業規則があるかどうかまで、あやふやなのが現状。
退職のタイミングということも手伝って、有給消化を申し出ても、院長が良い顔をしないかもしれません。
しかし、ここで引き継ぎも終わらないまま、無理やり休むのは社会人としてマナー違反。
辞める前の配慮もできない歯科衛生士として、悪評が立ちキャリアに傷がつくかもしれません。
もちろん、有給消化させてくれない院長が悪いのですが、そのために退職日が延びたり、キャリアに傷がついては本末転倒です。
揉めに揉めれば、給料の未払いにまで問題が発展しかねません。
万が一、話し合いで事態が解決しなければ労働局に相談する必要さえ出てきます。
そうなれば、キャリアどころか予定通り退職することも難しくなるでしょう。
泣き寝入りと言ってしまえば悔しいですが、雇われの身はどうしても立場が弱くなります。
長い目で見て、慎重な対応が求められます。
まとめ
いかがでしたか?
引き継ぎは、自分が辞めた後に仲間のスタッフが困らないようにするために重要なプロセス。
きっちりと引き継ぎをこなすことで、歯科衛生士としての自分の評判も守られます。
辞めるから関係ない、と思わずに最後まで誠意ある対応をしましょう。
個人診療所では雇用主である院長との距離が近く、辞める旨を伝えた後、気まずい思いをすることもあります。
しかし、後のことを配慮し、引き継ぎをしっかりすれば、院長も恩を感じ誠意ある対応を心がけられます。
以上、「歯科衛生士の引き継ぎ!残りの有給はどうする?」でした。